TOPページ → 山(花)・旅 目次 → ヘツカリンドウ・中岳・滝めぐり
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山は出会いの場でもある。会話がはずみ、刺激をもらって、元気になれる。 今年6/8のこと。霧島・韓国岳の山頂でNさん(その日、火口壁のミヤマキリシマを案内してもらった)が、「ヘツカリンドウが秋に 大隅半島の中岳で見られる」と教えてくれた。名前は知っていたし、図鑑で見たこともあったが、実際にお目にかかったことはない。 そのとき、近くで昼食中だった I さん(お久しぶりでした)が「この花よ!」とスマホの写真を見せてくれた。 これは僕も是非写真に納めたいと思ったものだ。 が、しかし、ツレのトモちゃんは初めてのあまり人が登らない山だと、二人きりの登山は怖がって行きたがらない。 そうしたときは、我々の山のお師匠さん・アツコさん(キリマンジャロやヒマラヤにも行かれている)にお願いする。 アツコさんとは昨春の花尾山周回以来。彼女は中岳に登ったこともあるというから安心この上ない。 さて10/19当日、登山口近くの駐車場で、我々がほぼ出発準備を終えたところに、他の登山者の車一台がやってきた。 「おはようございます」と挨拶をし、「ヘツカリンドウはどうでしょう?」と尋ねると 「八合目から上のほうで咲いてますよ」とうれしい情報を教えてくれた。 これはいいと期待して登山を開始。ところで、そう教えてくれた方とはどこかで会ったな〜、どなただったかな〜と 登山中、思い出そうとするも思い出せない。八合目を過ぎ、ヘツカリンドウとも対面できた後、前岳のところで追いつかれた。 彼はこの日は奥様とごいっしょ。開口一番「Mです」とおっしゃる。僕は遅ればせながら思い出した。 彼も最初は誰だったかな〜と思ったらしく、「(僕の)声で思い出した」という。 このMさんとは、6年以上前にシェルパ(自然を愛する会)の山行で何度かいっしょだった。超健脚な方で、たとえば「くじゅう」だと 一日のうちに星生山、久住山、稲星山、中岳、天狗ヶ城、大船山、平治岳、三俣山などをすべて登り切ってしまうほどだ。 そんなMさんを中心に、前岳では登山や花談義が盛り上がり、しばし時間を忘れるほどだった。 以前も驚いたが、Mさんはその後もたくさん山に行かれているようで、昨年はなんと計108日を数えたという。 我々には遠くおよばないことで、ただただ感心するばかりだが、いい刺激になり元気をいっぱいもらえた。 そんな次第で、アツコさんやNさん、そしてMさんご夫妻のおかげで、この日もいっぱい楽しめました。 記してお礼を申し上げます。ありがとうございました。 肝心の中岳や滝めぐり、そしてヘツカリンドウのことについてはまだ、なにも述べていません。 以下の写真説明の中で触れたいと思います。 10/24 たっちゃん |
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YAMAPの記録。距離5.5q、上り・下りとも658m |
8:49 鹿屋市街地から南南東へ16〜17q(県道544号)。 吾平自然公園を右手に通り過ぎて間もなく 正面の三角形が中岳677m。地元の人は吾平(あいら)富士とも言う。 電信柱のところを右折し、大川内神社の鳥居を左手に見て進むと 登山口入り口近くの駐車場がわかる。簡易トイレも設置されていた |
9:04 駐車場横。メランポジウム | 9:06 キバナコスモス |
9:16 出発 |
9:26 「登山口入口 山頂まで約110分」のプレート | 9:36 巨木の中を緩やかな上り |
10:03 「第一休憩所 山頂まで約70分」 | 10:07 スダジイの板根(奥は説明板) |
10:24 左の倒木が(も)「イスノキ」なんだろうか。倒木だと、葉っぱの写真が撮りやすかったのに、 撮り忘れた(葉っぱから、樹種がわかる) |
10:40 | 10:44 八合目を過ぎて、この写真のようなヘツカリンドウとの対面が何度かあったが、 いずれも花は蕾状態。出発直前の駐車場での「咲いてますよ」は、 「ヘツカリンドウの株がある」の聞き間違いだったか、と思ったほど。 |
10:48 聞き間違いじゃありません。ちゃんと咲いてました。 | 10:52 ヘツカリンドウとの初対面に感激です |
11:02 「第2休憩所 山頂まで約40分」 | 11:07 傾斜が急に | ツチトリモチ |
11:20 |
中岳のヘツカリンドウは、上りでは八合目すぎのところと… | このあたり、前岳直前の2ヶ所に群生しているようです |
11:25 |
11:27 前岳着。北側の眺望。高隈山の手前が鹿屋市街地。高隈山の左手奥に薄っすらと桜島 |
西に八山岳(はっさんだけ、659m)。その肩口に開聞岳 | 東にぼんやりと志布志湾(写真中央) |
11:53 センブリ |
11:55 ここまでの直前計6枚が前岳での写真。 このプレート表示はとてもわかりにくい。 ここは前岳で「中岳(吾平富士)山頂」ではない。 「中岳(吾平富士)山頂」である「後岳山頂」まで約20分という意味だ。 どうやら地元は『分県登山ガイド45』(山と渓谷社、2018年)の説明を否定したようだ。 同書は「中岳にある3つのピークを前岳、中岳、後岳と称し、中岳は3岳の総称である」とする。 今回歩いた感じでは、三つ目のピークはなだらかでピークという感じがほとんどない。 そこで、三つめは無視して、中岳には、前と後ろの二つのピークがあり、 後ろが以前からも中岳の山頂であり、今後、後岳山頂とも言うことにする、といったところだろうか。 でも、依然としてわかりにくい。 「後岳山頂」から「山頂」の2文字を削除して、「『後岳』が中岳の山頂です」と言ったらどうだろうか。 |
12:01 梯子を下る |
12:22 中岳山頂からの眺め(東側)。黒尊岳(左)、甫与志岳(右) ここに「後岳山頂」のプレートがあったけど、写真は載せません |
中岳山頂で昼食休憩 |
12:56 周回の下山コースに入る。「滝まで約50分」 |
13:19 分岐。ここから右に滝への最短ルートを行く 「大雨や台風の後は増水するので、 その時は(左の)林道コースを通るように」と |
13:43 どんどん下る。ここ数日雨は降っていないはずなのに、 だんだん川の音が大きくなってきて、水量はどうかとちょっと心配。 戻るのはイヤだ! |
13:55 渡渉。 水量が多いときは、戻らずに登山靴を脱いで裸足で… |
13:55 …と考えていたが、心配無用だった。 林道に上がって、少し上流にもどり… |
14:03 「おしどりの滝」に下る | 14:09 花崗岩の一枚岩だろう |
14:12 横の梯子を上って、おしどりの滝の上段へ | 14:14 きれいな淵がある |
14:15 乾いたところは大丈夫だけど、濡れたところは滑るので注意 |
14:22 林道にもどって少し下るとアケボノソウとご対面 | 14:25 |
14:32 二つ目の滝、特攻の滝 | サツマシロギク(イナカギク) |
14:43 炭窯あと | 14:45 滝へ下る |
14:49 三つめは、一本松の滝 |
14:57 これは? | たくさん図鑑を探したが、見当さえつかなかった |
15:10 四つめ(最後)は、杖立の滝(途中、濡れていて足場が悪く、トモちゃんはパス) |
15:13 | 15:16 これから季節はツワブキの花が目立つ |
15:25 太いのが多く、よく管理された立派な杉林だ |
15:36 4つの滝はすべてこの姶良川の上流でした 山や地域は吾平富士や吾平というのに、川の名前は 姶良市の漢字と同じく「姶良川」(肝付川の支流)と言うんだね |
15:37 もどってきました。駐車場まであと「30m」です。 |
15:38 駐車場横。紫色の花は何だろう? どなたか、分かりましたら、教えてください |
…と記していたら、しずりんさんが教えてくれました。 園芸(ガーデニング)では、よくある花だそうで、「トレニア」とのこと。 ありがとうございました。 |
大隅半島ほぼ中央の中岳(吾平富士)は、以上のように 花あり、眺望あり、滝は四つもありの、とても素晴らしいところでした。 |
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初出:2021.10.24 最終更新: 2021.11.23
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