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ヘツカリンドウ・中岳(吾平富士)・滝めぐり

2021/10/19




山は出会いの場でもある。会話がはずみ、刺激をもらって、元気になれる。

今年6/8のこと。霧島・韓国岳の山頂でNさん(その日、火口壁のミヤマキリシマを案内してもらった)が、「ヘツカリンドウが秋に
大隅半島の中岳で見られる」と教えてくれた。名前は知っていたし、図鑑で見たこともあったが、実際にお目にかかったことはない。
そのとき、近くで昼食中だった I さん(お久しぶりでした)が「この花よ!」とスマホの写真を見せてくれた。
これは僕も是非写真に納めたいと思ったものだ。

が、しかし、ツレのトモちゃんは初めてのあまり人が登らない山だと、二人きりの登山は怖がって行きたがらない。
そうしたときは、我々の山のお師匠さん・アツコさん(キリマンジャロやヒマラヤにも行かれている)にお願いする。
アツコさんとは昨春の花尾山周回以来。彼女は中岳に登ったこともあるというから安心この上ない。

さて10/19当日、登山口近くの駐車場で、我々がほぼ出発準備を終えたところに、他の登山者の車一台がやってきた。
「おはようございます」と挨拶をし、「ヘツカリンドウはどうでしょう?」と尋ねると
「八合目から上のほうで咲いてますよ」とうれしい情報を教えてくれた。

これはいいと期待して登山を開始。ところで、そう教えてくれた方とはどこかで会ったな〜、どなただったかな〜と
登山中、思い出そうとするも思い出せない。八合目を過ぎ、ヘツカリンドウとも対面できた後、前岳のところで追いつかれた。
彼はこの日は奥様とごいっしょ。開口一番「Mです」とおっしゃる。僕は遅ればせながら思い出した。
彼も最初は誰だったかな〜と思ったらしく、「(僕の)声で思い出した」という。
このMさんとは、6年以上前にシェルパ(自然を愛する会)の山行で何度かいっしょだった。超健脚な方で、たとえば「くじゅう」だと
一日のうちに星生山、久住山、稲星山、中岳、天狗ヶ城、大船山、平治岳、三俣山などをすべて登り切ってしまうほどだ。

そんなMさんを中心に、前岳では登山や花談義が盛り上がり、しばし時間を忘れるほどだった。
以前も驚いたが、Mさんはその後もたくさん山に行かれているようで、昨年はなんと計108日を数えたという。
我々には遠くおよばないことで、ただただ感心するばかりだが、いい刺激になり元気をいっぱいもらえた。

そんな次第で、アツコさんやNさん、そしてMさんご夫妻のおかげで、この日もいっぱい楽しめました。
記してお礼を申し上げます。ありがとうございました。

肝心の中岳や滝めぐり、そしてヘツカリンドウのことについてはまだ、なにも述べていません。
以下の写真説明の中で触れたいと思います。


10/24 たっちゃん



YAMAPの記録。距離5.5q、上り・下りとも658m



8:49 鹿屋市街地から南南東へ16〜17q(県道544号)。
吾平自然公園を右手に通り過ぎて間もなく
正面の三角形が中岳677m。地元の人は吾平(あいら)富士とも言う。
電信柱のところを右折し、大川内神社の鳥居を左手に見て進むと
登山口入り口近くの駐車場がわかる。簡易トイレも設置されていた



9:04 駐車場横。メランポジウム 9:06 キバナコスモス



9:16 出発



9:26 「登山口入口 山頂まで約110分」のプレート 9:36 巨木の中を緩やかな上り



10:03 「第一休憩所 山頂まで約70分」 10:07 スダジイの板根(奥は説明板)



10:24 左の倒木が(も)「イスノキ」なんだろうか。倒木だと、葉っぱの写真が撮りやすかったのに、
撮り忘れた
(葉っぱから、樹種がわかる)



10:40 10:44 八合目を過ぎて、この写真のようなヘツカリンドウとの対面が何度かあったが、
いずれも花は蕾状態。出発直前の
駐車場での「咲いてますよ」は、
「ヘツカリンドウの株がある」の聞き間違いだったか、と思ったほど。



10:48 聞き間違いじゃありません。ちゃんと咲いてました。 10:52 ヘツカリンドウとの初対面に感激です



ヘツカリンドウの生育地は、九州南部以南で、とても稀だそうです。
ヘツカは「辺塚」という鹿児島県肝付町の地名です。

それにしてもMさんはたいしたもんですね。
何日か前に一人でここに来て開花を確かめてから、この日あらためて花好きのおつれあいさんを案内されるとは!



11:02 「第2休憩所 山頂まで約40分」 11:07 傾斜が急に ツチトリモチ



11:20



 
中岳のヘツカリンドウは、上りでは八合目すぎのところと… このあたり、前岳直前の2ヶ所に群生しているようです  



11:25



11:27 前岳着。北側の眺望。高隈山の手前が鹿屋市街地。高隈山の左手奥に薄っすらと桜島



西に八山岳(はっさんだけ、659m)。その肩口に開聞岳 東にぼんやりと志布志湾(写真中央)


この前岳で、Mさんご夫婦と話に花を咲かせた。


11:53 センブリ



11:55 ここまでの直前計6枚が前岳での写真。
このプレート表示はとてもわかりにくい。
ここは前岳で「中岳(吾平富士)山頂」ではない。
「中岳(吾平富士)山頂」である「後岳山頂」まで約20分という意味だ。

どうやら地元は『分県登山ガイド45』(山と渓谷社、2018年)の説明を否定したようだ。
同書は「中岳にある3つのピークを前岳、中岳、後岳と称し、中岳は3岳の総称である」とする。
今回歩いた感じでは、三つ目のピークはなだらかでピークという感じがほとんどない。
そこで、三つめは無視して、中岳には、前と後ろの二つのピークがあり、
後ろが以前からも中岳の山頂であり、今後、後岳山頂とも言うことにする、といったところだろうか。

でも、依然としてわかりにくい。
「後岳山頂」から「山頂」の2文字を削除して、「『後岳』が中岳の山頂です」と言ったらどうだろうか。



12:01 梯子を下る


12:22 中岳山頂からの眺め(東側)。黒尊岳(左)、甫与志岳(右)
ここに「後岳山頂」のプレートがあったけど、写真は載せません
中岳山頂で昼食休憩



12:56 周回の下山コースに入る。「滝まで約50分」



13:19 分岐。ここから右に滝への最短ルートを行く
「大雨や台風の後は増水するので、
その時は(左の)林道コースを通るように」と
13:43 どんどん下る。ここ数日雨は降っていないはずなのに、
だんだん川の音が大きくなってきて、水量はどうかとちょっと心配。
戻るのはイヤだ




13:55 渡渉。
水量が多いときは、戻らずに登山靴を脱いで裸足で…
13:55 …と考えていたが、心配無用だった。
林道に上がって、少し上流にもどり…



14:03 「おしどりの滝」に下る 14:09 花崗岩の一枚岩だろう



14:12 横の梯子を上って、おしどりの滝の上段へ 14:14 きれいな淵がある



14:15 乾いたところは大丈夫だけど、濡れたところは滑るので注意



14:22 林道にもどって少し下るとアケボノソウとご対面 14:25



14:32 二つ目の滝、特攻の滝 サツマシロギク(イナカギク)



14:43 炭窯あと 14:45 滝へ下る



14:49 三つめは、一本松の滝



14:57 これは? たくさん図鑑を探したが、見当さえつかなかった



15:10 四つめ(最後)は、杖立の滝(途中、濡れていて足場が悪く、トモちゃんはパス)



15:13 15:16 これから季節はツワブキの花が目立つ



15:25 太いのが多く、よく管理された立派な杉林だ



15:36 4つの滝はすべてこの姶良川の上流でした
山や地域は吾平富士や吾平というのに、川の名前は
姶良市の漢字と同じく「姶良川」(肝付川の支流)と言うんだね
15:37 もどってきました。駐車場まであと「30m」です。



15:38 駐車場横。紫色の花は何だろう?
どなたか、分かりましたら、教えてください
…と記していたら、しずりんさんが教えてくれました。
園芸(ガーデニング)では、よくある花だそうで、「トレニア」とのこと。
ありがとうございました。




大隅半島ほぼ中央の中岳(吾平富士)は、以上のように
花あり、眺望あり、滝は四つもありの、とても素晴らしいところでした。




ここまでご覧くださって、ありがとうございました。




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初出:2021.10.24   最終更新: 2021.11.23
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