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ちょうどいいのは俺の足



2010年11月25日木曜日4時限、鹿児島大学教育学部204号教室での写真です。






上の写真は何でしょうか?

「靴」じゃないの?

そうですね。靴です。

そんなことなぜわざわざ聞くの?

そうね。ごめんなさい。
でも「なぜ?」って聞かないで、もう少し付きあってください。






では、これ↑は何でしょう?

昔、絵本で見たよ。「はらぺこあおむし」だよ。

そうね。「はらぺこあおむし」です。

かわいいね。でも、わかりきったことは聞かないでよ。

ごめん。ごめん。






あれっ、あおむしと靴、少し移動したみたい ↑

そう。僕(たっちゃん)がいろいろ動かして写真を撮りました。
11/25木曜4時限の授業の最後に10分ほど時間をとって、
授業感想文を書いてもらっている間に写真を撮ったんです。

たっちゃんはヒマだね。

そう。ヒマだ。






また場所を変えたよ。
はらぺこあおむし、かわいいね。






こちらも場所を変えた。これ、何だったっけ?

だから、靴!と言ったでしょ。

うん。靴だ! ということは僕にもすぐわかったんだ。
けれど、「思い込み」には十分注意しないといけない。
僕は授業中これを見つけて、感心したものだ。
今期は保健体育専修生がたくさん受講している。

最初、短距離をやっている女子学生 I さんのものだと思ったものだから、
アスリートは競技や練習場面を離れても、教室で勉強しているときも、
自分のシューズを肌身離さず大事にしているんだと。

ウチザワさんって、おかしいね。これが陸上用のシューズであるわけないでしょ。
まして短距離用のスパイクでは絶対にない!


うん。だから、よく見ない僕の思い込みだったんだ。
君は、この靴は何用だと思う?

バスケットあたりじゃない。

でも、持ち主のMさんの種目はソフトボールなんだ。

球技には違いないじゃない。
ウチザワさんの思いこみに比べるとはるかにいい線いっている!


ホントかな〜?



だいぶ、ひっぱりました。
ご覧くださっている皆さん、写真に写っているものは、「何の靴かはともかく、靴には違いない!」
ということで、よろしいでしょうか?

下の記事はまだ見ないで、Yes or No を予想してみてください。
上の写真は何度見てもかまいません。お考えください。

このことにかかわって、僕は教養の授業で、また専門の授業でも、度々
板倉聖宣さんの『発想法かるた』(仮説社、1992年初版)のなかから、
「馬鹿の大足 間抜けの小足 ちょうどいいのは俺の足」という発想法を取り上げ、
その大切さについて力説しています。

この発想法は、自分と他人を比べないことがいかに大事か教えてくれます。
「大、小、ちょうどいい」などと比べているようでいて、じつは全然比べていないんです。

相当な手前味噌ですが、こういう屁理屈も言えるようになると世間はもうこわくありません。
自分自身のありようについて、俺(私)は俺(私)のままで、自分は自分のままでいいんだ!
という絶対的な「自己肯定」の考え方がここにあります。


さて、写真のほうです。
靴は履物で、足にフィットしてもらいたいものですから、話がつながりますか?

そうではありません。

わかりましたか? 「靴」にしてはファスナーがついている?
おかしくはありませんか? (最近のは着いていますよ!)
でもファスナーで最後までとじられるようには、靴はなっていないでしょう。
(だと、足が入らない)

これは、靴!ではありません。



↑ 靴の形をした、筆入れ(ペンシルケース)です。



↑ はらぺこあおむしもお腹のファスナーを開けるとおんなじです。



僕は、はらぺこあおむしのほうはすぐにわかりました。
でも、靴の形のほうは思い込みで、近づいて手にさせてもらうまでわかりませんでした。



↑ Mさん、 I さん、そして座席が近かったお友だちのみなさん、撮影などにご協力ありがとうございました。



今回、紹介させていただいたのは上の二つの筆入れですが、
僕は毎期、授業中学生のみなさんの座席近くで筆入れを手にさせてもらい、感心します。

かわいい、カラフルなのがいっぱいあります。びっくりデザインのものにも出会ってきました。
また、あまり外観にはとらわれないという人もいると思います。機能第一考えます。

それも自分のこだわりの一つです。
とにかく鉛筆やボールペン、マーカーなど入ればいいんだという人もいるでしょう。

みんな、自分の筆入れがいいんだと思っています。
他の人のとは比べていません。
これが板倉さんの発想法でいう「ちょうどいいのは俺の足」の考え方なんです。
みなさん、無意識のうちにしているんです。

自分の持ち物や身につけたもの(ファッション)でだけではなく、
ときに、その発想法を自分自身についても意識的にしてみませんか、というのが
このページでの僕からの提案です。




板倉さんがまとめた「ことわざ・格言」を使って、登校拒否や引きこもりについて論じた僕の長い文章が
このHPに載っています。「ことわざ・格言と登校拒否、ひきこもりです」。目次は全10項目もあります。

その2項目目
「馬鹿の大足 間抜けの小足 ちょうどいいのは俺の足 ─ 大人も子どもも自分の人生の主人公として生きる」
は↑をクリックしていただけますと別ページでご覧いただけます。





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最終更新 : 2012.4.27
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