TOPページ → 2020年11月3日 奄美・話題提供レジュメ
2020年11月3日午後、奄美市名瀬の「AiAiひろば」で開催された 教職員や保護者らの「語ろう会」での話題提供レジュメです。 教育や学校の「当たり前」を見直そう! 事案から学ぶ・学べることはたくさんある 2020/11/3 話題提供 内沢 達 ・子どもの「ために」ではなく、子どもの「立場で」で考える ・「『生徒の立場』で考えないと事案の核心も見えてこない」(82〜87ぺ) ・「子どもの『ために』なる」とか「『ために』するのは当然」とかは、じつは思い込みでないのか ・ときに「励まし」ほど、子どもにとって辛いことはない ・Aさんは曾祖父の話を聞き、作文に「生きていることに感謝するようになった」とまで記していた。そのAさんが… ・「『よかれ』と一方的に励ました『善意』が招いた悲しい出来事」(65ぺ)、「生徒の気持ちや立場を考えない教員の勝手な『善意』が招いた悲しい出来事」(86ぺ)、「『生徒の立場』に立たない生徒指導が行われた場合、たとえ激しい暴力や暴言を伴わなくても、生徒を死に追い詰めることを知らなければならない。教育的『善意』をもって行われた『生徒のため』の行為が生徒の心を傷つけ取り返しのつかない悲しい出来事を招くこともある。」(106ぺ) ・サン=テグジュペリ『星の王子さま』序文「おとなは誰も初めは子どもだった。しかし…」 ・「子どもの立場」に立って考えることの一番の効能は、大人(親や教員)自身の「ために」なることにある。かかわる他者(相手)の立場についての理解がなければ、いい関係どころか悪くない関係も望むべくもなく、自身が気持ちよくなれない ・現在の学校教育の最も大事な理念=「生きる力を育む」の核心は自信と意欲だ ・「ねばならない」教育は、子どもはもちろん教員の自信や意欲も削いでしまう ・本当の自信は「そのまま」「ありのまま」の自分を認め、受け入れられるようになることから ・本事案の経緯は生徒間の「いじめ」ではないが(「先生が生徒にする嫌がらせもいじめだ」との生徒の指摘もあった。88ぺ)、「いじめ」を苦にした事案も全国的に後を絶たない。どうしたら子どもの命を守れるか。他に害をおよぼさない限り、みんな「そのまま」「ありのまま」が(で)いい、というメッセージこそ、今求められていないか ・「思春期心性」「両価性」(65ぺ)についての理解や掘り下げが重要ではないか。欅坂46『アンビバレント』(2018/8リリース)がわかりやすい。こう思う自分も思わない自分も、そうする自分もしない自分も、どんな自分もかけがえのない自分だ。「自分に親切になる」「自分自身のかけがえのない友になる」 ・自分を大切にできない人は本当のところ他者も大切にできない ・教員の自分を大切にしている日常と笑顔こそ、生徒の自信と意欲を育む ・学校や教育委員会も間違い、失敗することがある。そのことも隠さずに示して、本事案と向き合い続ける教育関係者の姿こそ、生きた教育であり、子どもたちにとっても希望ではないか (82〜87ぺ)などは、2018年12月に公表された 第三者調査委員会調査報告書の記載ページの略記です。 読みやすい報告書ですので、是非通してご覧ください。 2020年8月20日付奄美新聞に掲載された「寄稿」 「拝啓 奄美市教育長様」 は こちら → です。 |